日本が45年ぶりのオリンピック(五輪)勝利を挙げた。12年ロンドン五輪銀メダルのモンテネグロに、前半を14-13とリード。後半はさらに差を広げ、29-26で前回出場した1976年モントリオール五輪以来の1勝を手にした。GK亀谷さくら(34=ブサンソン)が好守を見せ、驚異のセーブ率44・7%をマーク。チームは目標とする予選リーグ突破に前進し、29日に韓国と対戦する。

おりひめジャパンの守護神、亀谷が「壁」となってモンテネグロの前に立ちはだかった。47本のシュートを打たれながら、21本をストップ。前半1点リードで折り返すと、後半の3人が退場になるピンチにも崩れず「日本のペースで試合ができた」と話した。

ノルウェー人の父と日本人の母の間に、ハンドボールの本場ノルウェーで生まれた。世代別での代表にも選ばれたが、15年に誘われて日本代表入り。「ノルウェーも若手が出てきていたし、自分にとっては新しい挑戦だった」と振り返る。母まりこさんに教わって日本語を猛勉強。すっかりチームにも溶け込んだ。

普段は所属クラブのあるフランス住まい。新型コロナで日本に来られず、1年半も代表から遠ざかった。「不安もあったが、合流できてよかった」。ただ、母国の五輪で娘が活躍する姿を楽しみにしていたまりこさんは観戦できず。「寂しいけれど、きっと応援してくれている」と話した。

日本女子にとって、45年ぶりの大舞台。開催国として出場するチームの目標は「1次リーグ突破」だ。決勝トーナメント進出(ベスト8)にはA組6チーム中、上位4チームになる必要があるため、格下アンゴラ戦を控えての1勝は大きい。キルケリー監督は「いい守備ができたこともあるし、さくらも素晴らしかった」と攻セーブ連発の亀谷に全幅の信頼をおいて話した。