東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は日本パラリンピック委員会(JPC)の高橋秀文副委員長と28日、都内のメインプレスセンターで会見を行い、選手村内でパラ柔道男子81キロ級代表の北薗新光選手(30)が村内巡回自動運転バスと接触した事故について説明した。

高橋氏によると、北薗は「(車と)ぶつかったかどうか分からない」と話しているという。組織委の中村英正大会開催統括は「事故の原因は調査中です。警察にも調査をいただいている」と前置きした上で「現時点で、我々は『eパレット』と北薗選手が接触したと認識している。映像で見ているが、ご本人の証言との整合を見ている」とし、現段階で組織委としては接触事故があったとの認識を示した。

中村氏によると、車両はトヨタ自動車の自動運転車「eパレット」だった。「トヨタ自動車から提供いただき、運行はトヨタと組織委が協力して行っているもの」と説明。「eパレット」は基本的には自動運転だが、オペレーターが乗車していた。「オペレーターの配置などで、安全確保を行ってきたと考えている。オペレーターはトヨタから派遣されている。事前にトレーニングもされている」と話すなど、安全確保に努めていたと強調。また、これまでも事故になりそうな危険性を指摘されたこともなかったという。

中村氏は「選手村で視覚障害がある方が歩行者として接触事故があった。その点について原因を徹底的に究明し、再発防止に努めたい。今後さらなる安全確保にむけ、トヨタと一緒に解明していく」と原因究明を約束した。