予選2組4着で4日の準決勝に回ることになった瀬立モニカ(江東区協会)が、レース後に大粒の涙を流した。

江東区出身の瀬立にとって、生まれ育った区内が会場となる今大会。ミックスゾーンでの質疑応答の最後、無観客での実施となったことについて質問が及ぶと、一気に感情があふれた。言葉につまり、「えーっと…、すみません」と口にしたあと、涙を流しながら次のように話した。

「いろんな意見がある中でのパラリンピック開催。自分が車いす生活を送るようになって、生きる希望がこの東京パラリンピックでした。それがあったからこそ前を向いて生きてこられた。だから、たくさんの人に見てもらいたい思いがありました。でも、『会場には行けないけれど、動画を見て応援しているよ』というメッセージをたくさんいただいた。それもある意味、新しい時代が来たのかなと。会場のチケットは有限。でも中継やライブ配信は制限がない。よりパラリンピックを知ってもらい、いろいろな人たちに見てもらえるツールだと思っているので。無観客になったことは本当に残念だけど、新しい風が吹くというか、それ以上の何かを得ることができたのかなと思います。まずはこの大会を開催してくれて、『ありがとう』という感謝の気持ちでいっぱいです」

メダル獲得を目指す瀬立は、4日の準決勝で3着以内に入れば同日の決勝に進む。