「金への試金石」と題し、スペイン戦の注目ポイントを紹介する2回目は、浮沈のカギを握るFW陣に焦点を絞る。

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五輪世代の代表で最多得点を誇る上田綺世(22=鹿島)は、足の付け根付近の肉離れからリハビリ中だ。スペイン戦も出場は難しく、五輪期間中に1日でも早い実戦復帰を目指す。15日には「順調に進んでいる。焦りはない。(五輪の)1試合目からいいパフォーマンスをすることが大事」と話し、南アフリカ戦に照準を合わせている。

FWの1番手と期待された上田が不在となる中、12日のホンジュラス戦で気を吐いたのが林大地(24=鳥栖)だ。得点こそなかったが、相手を背負ってMF堂安のゴールをアシスト。ポストプレーの能力は、タレントがそろう2列目を生かす武器として計算が立った。3月の活動で初招集され、メンバー発表時もバックアップに回っていた。短い期間で高めてきた連係が、どこまでスペインに通じるかも見どころになる。

ホンジュラス戦で途中出場の前田大然(23=横浜)は、2人とは異なる爆発力タイプ。50メートル走5秒8の快速が最大の武器で、最前線から猛然とプレスをかけ続けるスタミナも兼ね備えている。三者三様のFW陣で、スペイン戦に起用できるのは林と前田の2人。強豪から得点を奪うため、森保監督の采配にも注目だ。