サッカー女子日本のなでしこジャパン(FIFAランク10位)は強豪スウェーデン(同5位)と対戦し、FW田中のゴールで1度は同点に追いつきながらも敗戦した。金メダルを目指した戦いは、準々決勝で幕を下ろした。

大会を通じて奮闘したFW岩渕は「残念ですけど、自分たちの立ち位置というか、物足りないというか。たぶんやれることはやったと思いますけど、普段の環境からどこかで変えていかないと、世界と勝つ部分に関してはきついのかな」と、欧州の厳しさを知る海外組の立場から発言した。

岩渕が海外で身をもって感じた違いは“貪欲さ”。「結局ボールを持っているだけじゃゴールは取れないので、どこかで仕掛けて、チャンスを狙わないといけない点では、外国人は本当に貪欲なので。ミスを恐れて…というのが、日本人の悪いところ。悔しいし、変えないといけなかった」と、気がつきながらもチーム全体としては改善できなかったことを悔やんだ。

初めて10番を背負った今大会は、いやが応でも岩渕に注目が集まった。前日には高倉監督が「(岩渕は)精神的にもナーバスな部分がある」と発言していたが、岩渕本人は「期待されることも、背負うことも嫌いではない。その中で生まれるプレーも絶対にあったと思う。難しいところもあったけど、出し切れたというか、やれることはやれたと思う」と言い切った。

目標としてきた自国開催の五輪が終わったが、岩渕は「正直、五輪は今回(限り)でいいかなあ、と思っていたけど、やり残したことが大きいので、あと3年くらい頑張ろうかなと思います」と、24年パリ五輪を目指すようだ。「今はそう思ってはいますけど、無理はしたくないので、マイペースに頑張りたいと思います」。明るいエースは悔しさを押し殺して、前を向いた。