日本が準決勝で力尽きた。90分では決着がつかず、延長戦の末、スペインに0-1で敗れた。延長後半10分、FWアセンシオ(25=レアル・マドリード)に決勝点を許した。優勝候補を相手に体を張り続けたが、史上初の決勝には進めなかった。

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オーバーエージ(OA)で招集されたDF吉田麻也主将(32=サンプドリア)がスペインとの準決勝に先発フル出場し、五輪通算12試合出場となった。吉田は19歳で出場した北京五輪で1試合、12年のロンドン五輪で6試合、東京五輪で5試合に出場。23歳以下に制限された92年バルセロナ五輪以降の最多出場記録に並んだ。だが、チームは延長後半10分に失点し、準決勝の壁は超えられなかった。

準々決勝に続き120分を戦い抜いた吉田は「まだ倒れるわけにはいかない。次勝ってメダリストで終わりたいです」とすぐさま気持ちを切り替えた。後半11分にはペナルティーエリア内で相手を倒し、PKと警告の判定を受けたが、VARで取り消しに。延長戦では、ともにW杯ロシア大会に出場したDF酒井と「ベルギー戦のようなカウンターはないぞ」と声を掛けて全集中で戦い、最後は前線でパワープレーを仕掛けたが届かなかった。

スター軍団のスペインに善戦も「W杯もそうですけど、いい試合をした後、美化して終わるのでなく、結果を出して終わりたい」と話す。ロンドン五輪で、準決勝でメキシコに負けて燃え尽きてしまったことを挙げ「やっぱりメダリストになりたい。この世代は本当にいいチーム。最後、どうしても勝たせて終わらせてあげたい」とベテランの責任を口にした。

過去、12試合に出場した選手はブラジル代表FWネイマールらそうそうたる名前が並ぶ。その全員が、メダルを獲得している。試合後の取材エリアでは「メダリストになりたい」と3度口にした。メキシコ戦で銅メダルに食らいつく決意がにじみ出ていた。