アーティスティックスイミング(AS)のデュエットで、日本の乾友紀子(30=井村ク)吉田萌(26=ザ・クラブピア88)組はメダルを逃した。この日のフリールーティンは94・4667点。テクニカルルーティンと合計187・8166点の4位。19年世界選手権同様ロシア、中国、ウクライナ、日本の順位だった。

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アーティスティックスイミングの方向性がよく分かる決勝でした。シンクロナイズドスイミングから名称変更して初めての五輪。採点基準も変わり、各国とも芸術性重視でした。2人の動きが複雑になるなど、表現の幅が広がり、バリエーションも豊富になりましたね。同調性(シンクロ)はあって当たり前。その上で芸術性(アーティスティック)も求められる。全体のレベルも上がりました。

日本はロボットが人間に変わっていく様子を表現していました。足首をピンと伸ばすのではなく柔軟に動かすなど、これまでにあまりなかった動きも取り入れています。それでも、やはりウクライナは上回れなかった。19年世界選手権の評価を覆すことはできなかったですね。残念だったのは無観客だったこと。多くの人に見てもらえれば、新しいASの魅力も伝わり、多少でも得点への影響があったはずです。(16年リオデジャネイロ五輪デュエット、チーム銅メダリスト)