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デムーロ騎手は矢作調教師に喜びのキス

＜朝日杯ＦＳ＞◇１９日＝中山◇Ｇ１◇芝１６００メートル◇２歳◇出走１６頭

　５番人気のグランプリボス（牡、栗東・矢作）が直線で抜け出し快勝した。管理する矢作芳人師（４９）はうれしいＧ１初勝利となった。

　Ｇ１初制覇がかかる矢作芳人師は１１分間の審議にも冷静だった。「微妙だなと思っていました。ただ、どんな結果になってもそれが競馬ですから」。会見で「泣きそびれました」と笑った目はすでに赤かった。開業６年目で手にした初めてのタイトル。これまでＧ１・２着は６回。０５年の開業初年度の朝日杯で、スーパーホーネットの首差２着が最初だった。「負けたから覚えたこともある」。看板馬が引退した今年、現れたのがグランプリボスだった。

　「この場で言うことではないのかもしれませんが」と前置きし、ＪＣダート２着のグロリアスノアが転厩することを発表。「自分たちのやっていることに間違いはないと思っていたので」と声をわずかに震わせた。水曜夜には厩舎スタッフと決起集会を行った。

　殊勲のボスについて「心配していなかったし、ミルコに任せるだけだった」と仕上げには自信を持っていた。「まだ実感はないけど、夜にお酒を飲んだら実感がわくのかな」。来年の目標は５月８日東京のＮＨＫマイルＣ（Ｇ１、芝１６００メートル）。「注文はない。このまま無事にいってくれれば」とトレーナーは先を見据えた。

　［2010年12月20日9時7分　紙面から］

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