森保ジャパン最多となる27本のクロスも不発に終わった。サッカー分析会社「データスタジアム」によると、無得点で引き分けた5日のトリニダード・トバゴ戦でのクロスは、監督就任15試合目で最多の27本。だが、味方につながったのは6本だけで、複数回成功した選手は1人もいなかった。シュートに直結したクロスは4本にとどまり、そのうち枠内に飛んだシュートは前半24分にDF酒井のグラウンダーのクロスをFW大迫が右足で合わせた1本だけだった。

チームは初めて3バックで臨んだ。森保監督がJ1を3度制したサンフレッチェ広島時代に採用したシステムだが、サイドに厚みを持たせた布陣ゆえ、攻撃の「幅」は確かに広がった。当時の広島同様、数多くのクロスを放った。だが、その精度は低く、相手にはね返され続けた。出し手と受け手の呼吸は合っていなかった。もちろん、その質の低さはこの試合に限ったことではない。2月のアジア杯決勝カタール戦でも19本のクロスを放ちながら成功は2本だけだった。クロスの精度は森保ジャパンの課題の1つ。上げる前段階でひと工夫ほしいところだ。【石川秀和】

日本対トリニダード・トバゴ 後半、懸命にボールを追う日本代表の選手たち。右からMF南野、FW大迫勇、1人おいてMF伊東(撮影・横山健太)
日本対トリニダード・トバゴ 後半、懸命にボールを追う日本代表の選手たち。右からMF南野、FW大迫勇、1人おいてMF伊東(撮影・横山健太)