<国際親善試合:日本1-3ブラジル>◇10日◇フランス・リール

 前半は0-3で完敗。後半は無失点に抑えて1点取り返した。だからよかったと、慰めの1点で喜んではいけない。90分間で負けたんだ。これがW杯のシミュレーションだとしたら、1戦目で負けて崖っぷち、次のベルギー戦に負けたら1次リーグ敗退だ。

 後半は日本が高い位置からプレスをかけてよくなったというが、それは後半のブラジルが後ろで回すだけだったから。ブラジルは14日にイングランド戦があるため、無理しなかった。60%程度の力。そのために前半に3点の貯金をした。

 では前半からプレスをかけたらどうなった? たぶんもっと強烈なカウンターをどんどん仕掛けられただろう。結局プレスをかけてもボールは取れなかった。警告の数(4)が物語っている。ファウルでしか止められない。W杯で2戦連続でこんなに警告を受けたら、3戦目は違うチームで戦わなきゃならない。

 新しい選手を先発で試すのかと思ったが、W杯出場を決めたオーストラリア戦とほぼ同じで、守ってカウンターのサッカーだった。ベルギー戦ではどういうサッカーをできるか。前半からプレスをかけて戦い続けられるか、証明してみればいい。最後までスタミナが持つかは分からないけど。(日刊スポーツ評論家)