<YBCルヴァン杯:札幌3(PK3-4)3川崎F>◇決勝◇26日◇埼玉

ピッチに降りて選手の動きを見る札幌宮沢(撮影・たえ見朱実)
ピッチに降りて選手の動きを見る札幌宮沢(撮影・たえ見朱実)

主将の覚悟に胸が締めつけられた。23日、右太もも裏肉離れで別メニュー調整中のMF宮沢裕樹を取材した。12シーズン分の顔写真を印刷して持参すると、懐かしそうに入団当時やJ2時代の話をしてくれた。

この日はベンチ入りメンバーの出発前日。宮沢の出場は厳しい状況だった。頼れる主将がベンチにいるだけで心強い。宮沢が優勝カップを掲げる姿を見たいと、誰もが願っている。そんな思いを伝えてみた。

宮沢は「わかりますよ。僕もいたいし、ベンチにいてもできることはあると思う」とほほ笑みながら、受け入れたようにこう言った。「やっぱり勝負ごとだし、試合に出られないなら、入らない方がいいと僕は思う。今回はPK戦まであると思う。何があるかわからないし、より計算できる人がいた方がいい」。決して欠場決定を認めなかったが、察した。すでにこの時点でペトロビッチ監督にもその意思を伝えていたようだ。宮沢の潔さを感じた。クラブの歴史が変わる瞬間には、背番号10がいて欲しい。【保坂果那】

12シーズン分の自身の顔写真を見ながら振り返る札幌MF宮沢主将(撮影・保坂果那)
12シーズン分の自身の顔写真を見ながら振り返る札幌MF宮沢主将(撮影・保坂果那)