日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が日刊スポーツなどのインタビューに応じた。
昨年3月に就任しW杯アジア2次予選は5勝1分けでE組首位に立つ。事あるごとに日本サッカーに物申す強烈なキャラクターで存在感を示す指揮官が大いに語った。
元日付紙面では掲載しきれなかった部分も含め、新春ロングインタビューとしてお届けする。【取材、構成=八反誠】
◆開始から20分以上、1つ目の質問に対する答えが続いた。ようやく2つ目の質問。「チーム作りは順調か。それとも少し遅れているのか」。
「海外でプレーしている選手の情報は少しはあったが、日本のことを全部知った上で来たわけではない。まずW杯(ブラジル大会)と(15年の)アジア杯をチェックした。多くの情報を得たが、本当の情報は直接グラウンド上で選手と接した時に得られるもの。その情報を、私の頭のなかの情報と照らし合わせていった。
続けてトレーニングできる日数が少ないという問題がある。合宿の1日目、2日目の練習では、何人かの選手は本当に疲労していて、まるで寝ているような状態の者もいた。問いかけたり、トレーニングするのは不可能で、まず休ませることから始めました。
フィジカルだけでなくメンタルの回復も大事ですから。ただ、今は本当に分析が深いところまで進んで、いろんなことが見え始めてきました」
◆話題をさらった体脂肪率については、やはり言わずにはいられない。節制を要求する指揮官は、誕生日にケーキを贈られても手を付けようとしなかった。カメラマンにうながされ、指先につけたクリームを少しなめただけだった。ただ言うだけではない。
「いろいろなテストもしました。たとえば体脂肪率です。最初のテストの結果は本当にショックなものでした。ある選手は17~18%もあった。理想は10%。つまり、何かがおかしい。そういった状態では、A代表でプレーするのは不可能です。
アドバイスは与える。でも、それをリスペクトしないのであればA代表には入らないというだけのことです。なぜかといえば、最終予選に向けてチームをもっと強くしたいから。すべての面で向上しないといけないのです。
本当のトレーニングというものは、選手が所属クラブでやらないといけないもの。ただ、向上させるために、いろんなアイデアは持っています。たとえばFKのオフェンス面。現代フットボールでは、ヨーロッパでは、得点のうち40%がFKから決まると言う人もいます。一方で、日本代表は0%に近い。本当に物足りない。向上させないといけないところです」
◆再び守備の話に。ここで注意しなければいけないのは、主張し続ける「A代表」の独自の定義。日本代表は15年に国際Aマッチを13試合戦っているが、国内組しか招集しなかった東アジア杯3試合(2分け1敗)を、同監督だけは一貫して数に入れていない。もしかしたら、惨敗がトラウマになり記憶から消し去りたいのかもしれないが。
「ディフェンス面はいいと思います。(W杯アジア2次)予選では失点していない。いい数字だと思います。(国内組で臨んだ)東アジア杯はAチームではなかったので、あまり頭には入っていません。ただ(北朝鮮の)2メートルの選手と対戦し、空中戦ですべて負けてしまいました。2回のチャンスを彼らに決められた。空中戦で我々はやられたわけです。頭でドン、ドンと2回です。そういったプレーにも、適応しないといけない。
つまり、我々が(ペナルティーエリア内約)16メートルの中で守備をしてしまうと弱点を突かれることになる。16メートルの外に出て守備をしないといけない。そういったところが、日本代表のアイデンティティーにつながる1つだと思います。
我々の長所、クオリティーで勝負をしないといけないのです。強豪国のドイツやブラジルをコピーするのではなく。もちろん、強豪国が実際に何をしているのかという映像は見なければならない。ただ、日本のアイデンティティーを探さないと。選手個々の長所を使ってです。個人の長所をチームの長所にしていく。そういったアイデアが、頭の中にはたくさんあります」(続く)

