サッカー女子のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(9日まで大阪市)で黒星発進した日本代表なでしこジャパンは今日2日、第2戦で韓国と戦う。2試合連続の先発が予想されるMF川澄奈穂美(30)は、INAC神戸で13年までチームメートだった相手10番のMF池笑然(チ・ソヨン、25)を警戒。負ければ4大会連続の本大会出場が絶望的となる試合での必勝を誓った。チームは堺市内で1時間超の調整を行った。

 悪夢の3失点完敗から一夜明け、MF川澄らオーストラリア戦の先発組は回復メニューに取り組んだ。中1日の韓国戦に向け、冒頭25分が公開された練習では、サブ組と通常メニューも消化。「疲労が抜けるとは思ってないし、残った状態でも90分を戦い抜く覚悟です」と川澄。午前と午後のミーティングでは、佐々木監督から「反省は自分たちの中にある。今までやってきたことを見つめ直そう」と基本の徹底を求められた。

 2枚の五輪切符を目指す中、まさかの黒星発進。続いて当たる韓国にも2連敗中と息つく暇がない。加えて、川澄が危険な情報をキャッチした。13年までINAC神戸で同僚で、一緒に住んでいた韓国のエース池と連絡を取っており「相当いい準備ができているようです」と明かした。メールで仕入れた内容は「中国遠征と国内合宿で万全」。韓国は1月に中国での4カ国親善大会に出場し、ベトナム、メキシコ、中国と対戦。国内合宿だけだった日本と違い、90分間の真剣勝負で実戦感覚を養った。2月は約3週間、韓国南西部で合宿。前日29日の初戦では、今予選最強の呼び声高い北朝鮮と1-1で引き分けたほど好調だ。

 この日、公式練習を終えた池は日本語で「毎日(川澄と)連絡してます。『韓国と日本で一緒に五輪へ行きたいね』って」と、はにかんだ。13年にINAC神戸を4冠に導き、現在はイングランド1部チェルシーでプレー。日本戦は、前回ロンドン五輪最終予選で1得点、13年の東アジア杯で2得点した日本キラーは「澤さんとの対戦を楽しみにしていた」と引退を惜しみつつ“澤ロス”の日本に容赦なく襲いかかる。

 池に2点を許した3年前の東アジア杯で日本は2-3で敗戦。当時、涙を流して悔しがった主将のMF宮間は「負けたら終わり。1点も譲れないし、一戦も落とせない」。背水の韓国戦で借りを返す。【木下淳】