日本が14年ぶりの8強進出を逃した。延長戦後半3分に失点し、ベネズエラに0-1で惜敗した。飛び級選出のFW久保建英(15=東京ユース)は後半18分から出場も激しい守備にあい、シュートまで持ち込めなかった。今後は11月にW杯を控えるU-17に代表活動の軸足を置く。チームは今日31日に帰国する。

 久保はじっと動かなかった。終戦を告げる笛のあと、両手を腰に当て、最後までぼうぜんと立ち尽くした。FW岩崎に肩をつかまれ、押されるようにしてやっと歩いた。「もう悔やむこともできない。正直まだ今も、何も考えられないです」。責任を背負うように、言葉を絞り出した。

 0-0の後半18分に投入されたが、ベネズエラの厳しいマークにあった。ボールを持てばすぐに3人に囲まれる。それでもキープする場面も見せたが、完全に打開することは難しかった。延長前半5分にはMF遠藤へのパスで左サイド攻撃の起点になるも、得点にはつながらなかった。チームは延長後半3分にCKからMFエレラにヘッドを決められた。「期待には応えられなかった。自分としては、本当にふがいないです」。得点でチームを救えなかったことを悔やんだ。

 日本中の期待を背負って臨んだ。初戦の南アフリカ戦では決勝点をアシスト。最大5歳上の選手を相手に輝きを放った。20年東京五輪でメダルを争う相手と対戦できたことも大きな収穫だ。「自分なんかに声をかけてくれて、この大会に呼んでくれた内山監督には、感謝の言葉しかありません」。あふれそうな感情をぐっとこらえた。

 11月のU-17W杯インド大会は、攻撃の核としてチームをけん引する立場になる。内山監督は「悔しいと思うが、今後十分やれる」と期待した。「こういう思いは最後にしたい。もっともっと努力したい。努力の一言に尽きます」と久保。負けず嫌いの15歳が、日本サッカーの希望であることに変わりはない。【岡崎悠利】