MF長谷部誠(33=フランクフルト)が主将の役目を全うした。3月以来の代表復帰で先発フル出場。3月に受けた右膝手術の影響を感じさせず、所属のフランクフルトで「安全保障請負人」と呼ばれる働きで完封に貢献した。ピッチ外でハリルホジッチ監督と選手との橋渡し役を担うなど頼れる主将は、自身3大会連続となるW杯に向けて「また大きいことをしたい」と、野心をのぞかせた。

 黒星スタートから紆余(うよ)曲折を経て、W杯最終予選を勝ち抜いた長谷部は「とにかく勝てて良かったです」と安堵(あんど)した。「危ない場面でボールを失う場面があり、迷惑をかけましたけど、リハビリの結果が報われてうれしい」と言うと、感極まったような表情を浮かべた。

 ボールを保持する相手にボールを回させ、スキを突く戦術を貫いた。中盤の底から縦パスに目を光らせて危険を察知し、ピンチの芽を摘んだ。「サッカーとしてキレイではないかもしれない。でも、サッカーは結果が正しいので。最終予選の初戦に敗れたチームは(W杯に)行けないというジンクスを覆すことができてよかった」。所属クラブで「安全保障請負人」と呼ばれる働きは健在だった。