サッカー日本代表監督を電撃解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が21日、涙の再来日を果たした。自宅のあるフランスから羽田空港着の航空機で到着。解任に怒り27日には都内で反論会見も用意されているが、羽田空港では涙をこらえ、震える声で「真実を探しに来ました」「ゴミ箱に捨てたような状態」「まだ終わっていない」「私の誇りを傷つけるようなところは闘わなければならない」などと訴えた。

 田嶋会長の独断ではあったが、雇用主の日本サッカー協会は契約書にのっとって解任を告げており契約上の問題はないと自信を持っている。9日の解任会見で同会長は「法務関係の方とちゃんと話をした上で」とも言った。プロの世界で監督解任は日常茶飯事。日本協会は権利行使したにすぎない。

 ただ、契約上の問題はなくとも独断でクビを切った田嶋会長が理由を真っ先に「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきた」とした点がまずかった。気遣ったのだろうがシビアに「成績不振」と、海外組を招集した直近5試合勝ちなしの成績をよりどころにするべきだった。

 ハリルホジッチ氏はこの説明に「田嶋会長は何も説明していない。なぜなら、すべてが存在しないことだからだ」と、まったく納得していない。あいまいな理由でクビを切られたとなれば黙っていない。ただでさえ、自分の思いを口に出さずにはいられない人物。これは十分予想できた反応だ。「コミュニケーション不足」と言った田嶋会長の言葉が、ブーメランのように戻ってきたと見る。