日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(61)が、日本代表MF久保建英(18=レアル・マドリード)の20年東京オリンピック(五輪)出場を熱望した。

20日、都内のJFAハウスで報道陣に対応。東京五輪については、代表に選手の拘束力はないが久保の招集に意欲を示した。久保がA代表初先発した18日の南米選手権初戦のチリ戦が同大会を独占配信するインターネット・スポーツ配信チャンネルDAZN(ダゾーン)のライブ視聴数で過去最高をマーク。注目度が高まる久保抜きに東京五輪の代表は語れない。

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協会トップの、偽らざる本音だった。欧州、南米と続く海外出張を終えた田嶋会長は、Rマドリード移籍を決めた久保について「向こうの人たちはすごく注目していた」と、海外からも熱視線を注がれている状況を説明。注目度が右肩上がりの18歳の東京五輪出場の可能性を聞かれると「何とか出てほしい」と願いを込めた。

東京五輪に招集の拘束力がないため、協会は移籍時の契約条項に東京五輪への出場を加えるよう要望している。田嶋会長は「(契約が)どうなっているか知らない」と前置きした上で「東京五輪こそ、ベストで臨まないといけないと思っていますから」。久保招集を、悲願の金メダルへと続く絶対条件の1つに挙げた。

A代表でも、不可欠な存在になりつつある。南米選手権を独占配信するDAZNは、久保がA代表初先発を飾ったチリ戦がサッカーコンテンツ内でのライブ視聴数で過去最高を記録したと発表した。視聴者数は明かされていないが、欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝のトットナム-リバプール(日本時間6月2日)の約1・6倍という。平日の午前8時開始ながら記録的な視聴数をはじき出した“久保効果”は絶大だ。

田嶋会長は「Rマドリードといえば世界のナンバーワンクラブ。成功するかはこれからだが、スタート位置につけることだけでも日本サッカーにとって大きな収穫」と日本サッカー界にとっての“久保効果”も口にした。東京五輪金メダルからの、22年W杯カタール大会で初のベスト8入り-。描く青写真の実現に、久保が欠かせないピースとなっていく。【浜本卓也】