日刊スポーツのサッカー担当記者が独自の視点で掘り下げる「Nikkan eye」。今回は、日本代表で約1年ぶりに公式戦に出場したFW岡崎慎司(33=レスター)に目を向ける。ウルグアイ戦では衰え知らずの運動量で、攻守に体を張って勝ち点1獲得に貢献。後輩に経験を伝えながらプレーで引っ張る、チームにあるべきベテラン像を示している。

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ウルグアイ戦で得た勝ち点1は、ベテランの功労によるところが大きかった。1トップに入った岡崎は得点こそなかったが、2点目のシーンではニアサイドに走り込むつぶれ役となり、三好にシュートが打てるスペースを作った。18年W杯ロシア大会でFW本田のゴールをお膳立てした姿をほうふつさせた。

チリに大敗し、中2日で迎えたウルグアイ戦。チリ戦翌日に岡崎が話した「続けること」こそ、難しい課題だった。そして若手を鼓舞するように、ボールキープからGKまで猛チャージと、骨の折れる仕事を90分間やりきった。「プレーで見せてほしい」と話していた指揮官の期待に応えた。

「自分からいろいろ教える、というタイプではない」(岡崎)。しかしピッチ外でも、レスターでのプレミアリーグ優勝から得た唯一無二の経験を後輩に伝えている。FW前田と上田には、当時エースだったFWバーディーが、自身が加入したことで得点が増えた話をした。「たとえ自分がとれなくても、いることで点が取れる選手が出てくることは大事。本当にすごいなと思った」と前田。未来を担うストライカーたちに、DNAを注入している。

日頃から選手と接していても、若手の多くはよく言えば優等生、悪く言えばおとなしい。今回の代表もしかりだ。よく話を聞いていると、それは遠慮や敬意からくるもので、むしろ先輩の言動を注意深く見ている。後輩にいじられても笑顔でいながら、ピッチではひたむきに走る姿勢。メダル獲得を目指す東京五輪でも、オーバーエージに求められる資質の1つであることは間違いない。【岡崎悠利】