<解説>

天国か地獄か-。そもそもワールドカップ(W杯)に「天国」などない。どこが相手になっても厳しい戦いが待ち受ける。今大会の初出場は開催国のカタールのみ。4度の優勝を誇るイタリアを除き、FIFAランク上位の国が順当に本大会出場を決めた。アジアの代表で日本とは1次リーグで対戦しないカタール以外の上位チームが入る第1ポットは優勝候補が並ぶ。

第1ポットで最も避けたい相手はFIFAランク1位に返り咲いたブラジルか。過去0勝2分け10敗で勝つイメージがわかない。その上、第2ポットに14年王者のドイツが入ればまさに地獄。第1ポットにブラジルではなく前回18年王者のフランスが入ると直近2大会の王者が同組になる。

さらに第4ポットから身体能力の高いアフリカ勢のカメルーンが入れば、日本にとって「死の組」確定。日本はカメルーンに過去5戦無敗(3勝2分け)だが、今大会はW杯に4度出場した元代表主将のリゴベール・ソング監督の下、チームとしてまとまりを見せており、同組は避けたい。

一方、比較的楽(?)と思える第1ポットの相手はポルトガルか。FWロナウドがいるとはいえ、予選突破に苦しんだ。第2ポットにはその中で実力が一枚劣る2大会ぶり出場の米国、第4ポットに現時点の出場決定国の中でFIFAランク最下位のガーナという組み合わせがベストかもしれない。【石川秀和】

◆抽選方式と大会方式 3月31日付のFIFAランキングに基づき、本大会に出場する32チームを8チームずつ4段階に格付けして上位から第1~4ポットに分ける。第1ポットは開催国のカタールに、ブラジルを筆頭にランキング最上位の7チームが入る。6月のプレーオフで出場が決まる3チームは第4ポットへ。同じポット同士のチームは1次リーグでは対戦しない。抽選は第1ポットから順に行われ、各ポットから1チームを1次リーグA-Hの8組に振り分ける。同じ大陸連盟のチームは同じ組とならないが、13チームが出場する欧州のみ同組に最大2チームが入る。 決勝トーナメント(T)は各組上位2チームが進出。1次リーグの順位決定は(1)総勝ち点(2)全体の得失点差(3)総得点。仮に2チーム以上が並んだ場合は(4)当該チーム間の勝ち点(5)同得失点差(6)同総得点(7)フェアプレーポイント数の順で決める。また、決勝T1回戦の組み合わせは、A組とB組、C組とD組、E組とF組、G組とH組の各1位チームと2位チームが対戦する従来通りの形式になる。