【アルラヤン(カタール)27日】日本代表の森保一監督(54)の積極采配が空回りした。スタメンはドイツ戦からフィールド選手5人を変更。W杯デビュー組4人を送り込んだ。目標に掲げるベスト8以上をにらみ、選手の疲労を軽減するため大幅変更に打って出た。ドイツ戦よりもさらに早く動き、前半途中から3バック気味に変更。後半も次々と攻撃の選手を送り込んだが、結果にはつながらなかった。

   ◇   ◇   ◇ 

試合終了の笛が響くと、森保監督はピッチから視線を外すとベンチに戻り、いつものようにコーチ陣と握手を交わした。ただ、その表情は硬い。もどかしさからのフラストレーションがにじんだ。「ターンオーバー(先発の大幅な入れ替え)はまったく後悔していないし、結果がだめだったからやったことがだめだと第三者は見るかもしれないが、勝つために必要だった」と気丈に言い切った。

ドイツ戦同様、強気を貫いた。停滞した前半の途中から、陣形を4バックから3バック気味に変更。5バックを敷いてきたコスタリカに迅速に対応した。後半は伊東、三笘ら次々と攻撃陣を投入。「(鎌田)大地で起点をつくるなど、狙いとしたところは十分出ていた。準備したことは間違いではなかった」。采配に後悔はないが、ゴールネットを揺らすにはいたらなかった。

いい守備からいい攻撃がコンセプト。攻め込んできたドイツにはカウンターがより効果的になった。ただ、守備重視のコスタリカに対しては、ドイツ戦で輝いた堂安、浅野も苦戦。個々の打開力も足りなかった。「試合をコントロールしてクオリティーを発揮するところ。日本サッカーのレベルをさらにあげていかなければならない」と、今後の課題も口にした。

1次リーグ突破に向け、勝ち点1は欲しかったが、痛恨の黒星。積極采配は実らなかった。最終戦のスペイン戦は、コスタリカを7ゴールで一蹴している。「厳しい戦いになるが、勝つチャンスは十分あると思っている。自信を持って戦いたい」。ドイツを破った自信が失われることはない。新しい景色を見るため、運命の一戦に挑む。【岡崎悠利】

【写真付きライブ詳細】森保ジャパン、コスタリカに痛恨の敗戦 グループ突破は第3戦次第>>