【ウォルフスブルク(ドイツ)4日=岡崎悠利】欧州遠征をスタートさせたサッカー日本代表に初選出されたDF毎熊晟矢(まいくま・せいや、25=C大阪)が、サイドバック(SB)のポジション争いに名乗りを上げる。世代別代表も含め、初めての日の丸。雑草魂ではい上がってきた男が、“爪痕”を残すことを誓った。

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穏やかな日差しのウォルフスブルク。心地よい風が吹き抜ける練習場に集まった選手たちの前で、毎熊があいさつした。「『マイクと呼ばれています』と。練習もあるので短めに」。自己紹介後は、大学サッカーでつながりのある1学年下のFW上田らと話しながら、軽やかに体を動かした。「(ドイツまで)少し遠かったけど、そこまで疲れていない。サッカーの中でコミュニケーションをとっていきたい」と、精悍(せいかん)な顔を引き締めた。

攻撃が売りの右SB。チャンスがあれば、ペナルティーエリア内にも入っていく積極性が魅力だ。日本の武器である前線の選手とのかかわり合い方も重要になるが「自分は内でも外でもプレーできるし、使い分けられる。(2列目には)外で強い選手や、中に入れる選手もいるので」。伊東純也、久保建英、堂安律-。縦ラインでタッグを組むことになる強烈な個性を持った選手との連係にもイメージを膨らませた。

東福岡高、桃山学院大を経てJ2長崎入り。プロ1年目のキャンプで入るよう指示されたのは、当時本職のFWではなく右SBだった。当然悔しさもあったが「自分は特別な存在ではないと言い聞かせてきた。日ごろからこつこつ積み上げるしかないと思ってやってきた」。持ち味をいかに生かしながら、新たなポジションをつかみ取るか。1歩ずつ階段を上り、個性を磨いてきた。

才能を開花させたC大阪で「マイク」のほかにもつけられたあだ名が「和製ハキミ」。世界屈指のSBであるモロッコ代表DFアクラフ・ハキミからとったニックネームで、名付け親は小菊監督だ。試合の振り返りの際に毎熊が相手2選手を振り切ったシーンから“命名”され「いじられ気味に言われました」。それでも「冗談だけでは言わない監督なのでうれしかった」と成長の証しとも捉えた。

代表の右SBは、現時点で主力組のDF菅原らがライバルになる。「日本代表のためにも、初めて入った選手が今のメンバーを脅かすくらいのプレーをしないといけない。(ドイツは)Jとは違う強さやスピードがあると思うが、負けないという気持ちは強い」と気後れはない。初の日の丸で、相手はいきなりドイツ。マイクが爪痕を残す。

 

○…毎熊はC大阪でも日本代表としても大先輩のMF香川の言葉に背中を押された。ドイツへ出発する際に「セレッソでやっているようにやれば絶対大丈夫」と声をかけられたという。以前から「代表を狙え」とハッパをかけてくれていた先輩からのエールに「気持ちが楽になった。攻撃の部分が特長なので、回数も増やしたいしクオリティーも意識したい」と等身大でアピールする。

 

◆毎熊晟矢(まいくま・せいや)1997年(平9)10月16日、長崎県出身。東福岡高3年時はFWとして総体と選手権で全国2冠。桃山学院大では全日本大学選抜入り。20年にJ2長崎入団、右SBに転向。22年にC大阪移籍。J1通算52試合4得点(今季24試合1得点)。179センチ、69キロ。

 

◆W杯カタール大会の日本-ドイツ戦 1次リーグ初戦で対戦。日本はトップ下に鎌田、右に伊東、左に久保ら先発起用。前半は防戦一方となり、前半33分にギュンドアンのPKで先制点を許した。ハーフタイムに久保を下げてセンターバック冨安を投入。3バックの堅守速攻型に変更し、左ウイングバックに三笘を配した。後半30分に堂安の得点で追いつくと、同38分には浅野が板倉のロングボールから決勝ゴール。2-1の逆転勝利を収め「ドーハの歓喜」と話題になった。