女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング8位)が北朝鮮(同9位)を2-1で退け、パリ五輪(オリンピック)出場権を獲得した。2大会連続6度目の大舞台に立つ。

ホームアンドアウェー方式の第2戦。中立地サウジアラビアで24日に行われた第1戦を0-0で引き分けた後、帰ってきた日本で、運命の2戦合計で難敵を破った。2万777人の前で、国民と喜びを分かち合った。

池田太監督「ありがとうございます。選手たちがタフに戦ってくれましたし、国立で背中を押してくださった皆さん、心強かったです。選手たち、持っているものを全て出してくれたと思います。タフな環境で勝ち取った環境は選手を成長させる。パリでは一番いい色のメダルを目指して戦います」

大一番で、前回24日は機能したと言い難いシステムを4バックから3バックに戻した。3-4-3で、不動のGK山下杏也加(INAC神戸)に3バックは高橋はな(三菱重工浦和)と主将の熊谷紗希、南萌華(ともにローマ)が務める。中盤は清水梨紗(ウェストハム)と北川ひかる(INAC神戸)をウイングバックに、長谷川唯(マンチェスター・シティ)長野風花(リバプール)がダブルボランチに入った。3トップは上野真実(広島)田中美南(INAC神戸)藤野あおば(日テレ東京V)で勝ちにいった。昨年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)ニュージーランド・オーストラリア共催大会で成熟させた3バックで北朝鮮を惑わせた。

4日前から先発2人を入れ替え、追加招集で約1年半ぶり復帰の北川、池田太監督の体制では過去2試合しか出場がなかった上野が先発に抜てきされた。システムだけでなく、FW植木に代えて女子プロWEリーグ得点ランキング1位の上野、DF古賀に代えて北川を起用。その北川のFKから、前半26分に待望の先制点が生まれた。

熊谷、上野、FW田中美も関わった最後にDF高橋が押し込む。ベンチも総立ちで24歳を迎え、喜びを共有した。19日に誕生日を迎えたばかりの元気印がチームに自信を呼び込んだ。

前半終了間際には「山下の1ミリ」。ゴールライン上からGK山下がかき出した。16年リオデジャネイロ五輪の予選敗退を経験した守護神が、仲間を救った。

異例スケジュールも乗り越えた。第1は当初、平壌の金日成競技場で開催される予定だったが、試合運営に関する準備面で不透明な点が多く、中立地が模索され、なでしこ史上初となるサウジアラビア開催に。日本から約9600キロも離れた紅海の沿岸都市へ。その正式決定も試合3日前という混迷を極めていた。

気温31度の激戦を0-0で切り抜け、上り調子でホームへ、聖地国立へ。後半31分には追加点だ。清水の右クロスを藤野が頭で押し込んだ。一方で5分後にはキム・ヘヨンに1点を返された。熱戦を2万777人の前で展開した。

不気味だった。北朝鮮は昨秋、国際舞台へ5年ぶりに復帰したばかり。新型コロナ禍を理由に18年ジャカルタ・アジア大会以降は表舞台から姿を消していた。それが突如、昨年9月の同杭州大会に参戦。決勝で、なでしこジャパンではない若手主体の女子日本代表に1-4で敗れたが、FWキム・ギョンヨンが大会6戦12発で得点女王に輝いた。その時のメンバーから、さらに若い平均年齢21・8歳(日本は24・8歳)という構成で勝負。後半には、そのキム・ギョンヨンを送り込んできたが、逃げ切った。

熊谷主将「本当に、正直に一言、ホッとしてます。日本の皆さんと、ここでパリをつかめたこと、本当にうれしく思います! 出場権を勝ち取りましたけど、まだまだ時間はあると思っているし、パリで金メダルを目指して、また全員で頑張っていきたいと思います」

高橋「このチームのみんなのおかげ、詰めかけてくださった皆さん、テレビで応援してくださった皆さんのおかげです。もう押し込むだけでした。これからはパリに向かって、どんどん成長していくだけなので、頑張ります!」

リオは敗退、東京は予選なし。12年ぶりに予選を勝ち抜いた。通算7勝6分け12敗。アジアでは唯一負け越していたライバル北朝鮮を下して、花の都への道に、なでしこが咲いた。

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