9月開幕の仁川アジア大会(韓国)に出場する男子サッカーU-21(21歳以下)日本代表候補の福岡合宿(11~13日)メンバーが5日、発表された。明大2年のDF室屋成(20)ら3人が初招集。インテルミラノ長友の後輩サイドバック(SB)が、先輩も戦った五輪を目指す。

 大学生で唯一の選出を受け、室屋は「(11年の)U-17W杯で戦った仲間がJリーグで活躍していて悔しい気持ちがあった。負けられない。大学でも成長できることを示したい」と意気込んだ。青森山田高2年時のU-17W杯で5戦中4戦にフル出場。SBとしてDF岩波や植田、FW鈴木らと過去最高タイの8強入りを遂げた。縦への推進力と運動量が武器。基本は右だが、左もこなせる器用さも手倉森監督に評価された。

 高校卒業時に清水からオファーを受けたが「高2でSBになったばかり。長友さんをはじめ、SB育成に定評がある明治で経験を積みたかった」と進学した。そこで1年から定位置をつかむと「攻撃参加とドリブルが向上した。U-17W杯の時は全く自信がなかったけど、今は個人として自信がある」と自負している。

 長友を指導した神川明彦監督(48)も才能にほれ込む。「当時の長友より、はるかに経験値が高い。海外経験も豊富だし、北京五輪時の長友のように、プロばかりの代表に風穴をあけてほしい」。北京五輪前年の07年5月にU-22代表に初招集され、W杯代表まで上り詰めた長友と比較し「室屋もA代表になれる存在」と指摘した。

 先月17日、室屋は母校を訪れた長友から「世界では、少しでも相手にスペースを与えたらやられてしまう」と教わった。攻防の激しさを聞き「いずれ自分も海外に行きたいし、まずは大学で飛び抜けた存在になりたい」と決意を新たにした。

 「大学4年間の最大目標はリオ五輪に出ること」と断言。幼なじみのC大阪FW南野がA代表候補になったことも「負けていられない」と刺激に、大学生・室屋がアジア大会に向けた競争に飛び込む。【木下淳】

 ◆室屋成(むろや・せい)1994年(平6)4月5日、大阪府熊取町生まれ。5歳の時にゼッセル熊取FCでサッカーを始め、熊取北小6年の時まで南野とチームメートだった。青森山田高で全国高校選手権3年連続の16強だった。明大進学後は1年から全日本大学選抜に名を連ねる。血液型A。