選手主導の“サポーター獲得大作戦”でJ1定着だ。北海道コンサドーレ札幌は19日、札幌・宮の沢で全体練習後に、エースFW都倉賢(31)MF兵藤慎剛(31)ら選手4人が、運営スタッフとの会議に参加。ファン層拡大のため、本拠地の試合会場で行うイベントなどについて、活発な意見を交わした。

 「私服総選挙」に「解説シート」…、運営側も仰天の新企画案を次々と生み出した。この日、クラブ事務所で行われた運営側と選手との初ミーティングは、予定の1時間を超えて白熱した。例えば、歌舞伎観劇の経験をヒントに都倉が提案したのは、サッカー初心者にうれしい、試合解説を聞きながら観戦できるシートの設置。選手の私服コーディネートの写真パネルを会場内に飾って人気投票を行う企画や、ファン層の薄い20歳代の女性をターゲットにした企画などを出し合った。

 今回のミーティングは、横浜から加入した兵藤の「もっと運営スタッフと、ざっくばらんに話がしたい」という一言がきっかけだった。9年間在籍した横浜では、同じ選手を応援するサポーターが集い試合観戦する「推しメンシート」を、選手側の要望で実現。好評を得た実績がある。5季ぶりにJ1で戦う札幌だが、観客動員数は伸び悩み中だ。「(観客増は)僕らのモチベーションになる」と都倉。兵藤は「いろいろな切り口で、少しでも多くのファンを取り込めたら」と、満員御礼のスタジアムを思い描いた。【中島宙恵】

 ◆札幌の観客動員 J1の今季は1試合平均1万6972人で18チーム中11位。ホーム7試合で2万人超は、第3節3月11日C大阪戦2万1760人と第11節5月14日G大阪戦2万1174人の2試合しかない。昨季J2では1試合平均1万4559人で22チーム中トップ(2位松本1万3631人)。