鹿島アントラーズのエースFW金崎の豪快なシュートで試合の流れが一変した。0-1の後半8分、左サイドでボールを受けた金崎はフェイントでDFを抜き去る。ペナルティーライン上で右足を振り抜いてネットに突き刺し、右拳を突き上げた。試合後は「(ゴールは)良かったね」とほほえみながら「(永木)亮太くんと同世代で頑張ろうと言っていたからね」と、後半11分に約30メートルのFK弾を決めた仲間と喜びを分かちあった。

 今季は慢性的な両足首痛などに悩まされ、先発は1-0で勝った5月4日の浦和レッズ戦(埼玉)以来6戦ぶり。得点も、その日以来だった。練習後には足首を冷やすアイシング器具を持って帰る毎日。「これが友達」と苦笑いした時もあった。好きなお笑い番組を見てリラックスする時も、食事する時も、常に両足を冷たい氷水に入れた。冷却しない時間は愛車を運転する時くらい。「オレの恋人だね」と、スポーツカーを走らせることが癒やしだった。

 2-2とされても、後半27分にFWペドロ・ジュニオールが個人技で決勝弾。金崎は、Cロナポーズも披露した2トップの“相棒”のお尻をポンとたたいて祝福した。就任後4連勝の大岩監督は「チームの流れを変えたりすることが彼の持ち味。でも、あまり褒めるとね…。スーパーシュートは間違いない」と金崎をたたえた。首位セレッソ大阪とは、1試合少ない中で勝ち点2差。5日のアウェー・ガンバ大阪戦に勝てば、昨季王者が首位を奪取する。【鎌田直秀】