北海道コンサドーレ札幌のGKク・ソンユン(23)が、昨年1億円超のオファーを断った首位鹿島との一戦に闘志を燃やした。27日、札幌・宮の沢で紅白戦やセットプレーなどの練習を敢行。勝てばJ1残留決定の可能性がある明日29日鹿島アントラーズ戦(札幌ドーム)には、自身のプロ公式戦100試合出場も懸かる。「札幌でデビューして、それまで公式戦出場0だった僕が、100まで来られるとは。みんなに感謝。勝ちます」と、節目の試合に花を添える。

 昨季、舞い込んだビッグクラブからの誘いに「代理人から話を聞いた瞬間、即決だった」と、当初は心が傾いた。野々村社長に高級すし店で慰留され、出場機会や環境などを熟考した結果、残留を決意した。移籍していれば、今頃、目指していたのはJ1残留ではなく、優勝だったかもしれない。それでも「札幌に残って悔いはありません」と胸を張れるほど、充実したシーズンを送っている。

 前回対戦では開始2分で先制点を許し、前半だけで3失点した。「あの時の悔しさを、チームのみんなが忘れていない。僕らもJ1の舞台に慣れてきたので」。雪辱戦を制し、16年ぶりの残留を引き寄せる。【中島宙恵】