昨季の劇弾より今季のJ1残留! 北海道コンサドーレ札幌FW内村圭宏(33)が12日、3戦ぶりのメンバー入りへ、強い気持ちを口にした。昨年の11月12日千葉戦では、劇的なロスタイム決勝弾でJ1昇格に大きく貢献した。この日は劇弾から1年。今季は出場14試合無得点という状況に「去年のことは、もう頭にはない。今は出られていない現状を、どう打破していくか」と気を引き締めた。

 11、16年と2度の昇格に導いた点取り屋が、大一番に向け爪を研ぎ澄ませる。18日の次節清水戦は、勝てば文句なしで残留が決まる。チームに結果が出ている中、なかなか出番が得られないが、そこで腐る男ではない。「プロとして、これまでもベストの準備をしてきたし、次もひたむきに練習に臨み、チャンスに備えるだけ」と前を向いた。

 ドラマは狙ってつくれるものではない。日々の鍛錬の積み重ねが、いつか花を咲かすことを知っている。「体は動いている。常に全力でやれば結果はついてくる」。過去の栄光に固執していては未来はない。札幌加入8年目。苦しい時もうれしい時も結果でチームを引っ張ってきたFW最古参が、残留決定戦へ気持ちを高ぶらせた。【永野高輔】

 ◆16年J2第41節札幌-千葉戦(11月12日、フクアリ) 札幌は0-1の後半26分、DF福森のFKをFW都倉がヘッドで決め同点。同ロスタイム5分、DF河合のロングボールをFW内村が右足で蹴り込み2-1と逆転勝利。負ければ3位転落の可能性もあったが、この1勝で勝ち点84に伸ばし、2位清水と勝ち点3差をつけ、最終金沢戦は引き分けても1位でJ1昇格できる状況になった。