2戦連続マルチ弾で、チーム史上J1最高順位を引き寄せる。前節清水戦で2ゴールを挙げJ1残留に導いた北海道コンサドーレ札幌FWジェイ(35)が25日、今日26日G大阪戦での2試合連続ゴールを約束した。札幌は現在勝ち点37の13位。10位G大阪とは勝ち点5差で、直接対決に勝てば2差まで詰まる。ジェイ弾で、まずは過去最高11位(01年)に並び、12月2日最終節鳥栖戦での10位到達につなげる。

 ジェイにとってJ1残留は通過点でしかない。残り2試合で、さらに高みを目指す。18日の前節清水戦でヘッドと左足の2ゴールを挙げチームの最低目標を達成。「次もチャンスを生かして可能な限り、たくさんゴールを決めたい。1点とか2点とかではなく、チームの勝利のために全力を尽くす」と意気込んだ。トラブルにも動じない。24日夜に発生した新千歳空港の航空管制システムのトラブルで、通訳が大阪入りできず、25日の堺市内での前日調整は、通訳不在で実施された。セットプレーの細かい動きの説明も、日本語の指示だけで頭にインプットした。クラブスタッフは「問題なくやれていた」と説明。12試合に出場しチームメートの特長をつかみ、戦術は体で覚えてきた。言葉はなくても、アイコンタクトと抜群の嗅覚で、ゴールを生み出す。

 自らの1発でG大阪を討ち、最高順位到達への足掛かりをつくる。「残留を目指すのではなく、このチームはJ1のミドルクラスに行ける可能性がある」。10位G大阪との勝ち点差は5。今節の直接対決で勝てば2差に詰まる。最終節鳥栖戦に勝ち、3連勝すれば、11位仙台と12位東京の結果次第で、01年の11位を超える可能性は十分にある。「札幌がビッグクラブになるには、ここから先が大事」。G大阪は最近8戦未勝利とつけいる隙はある。前節で自力残留を決めた流れを生かし、一気にけりをつける。

 鬼門をこじ開ける。アウェーG大阪戦は公式戦2分け9敗(リーグ1分け5敗、カップ戦1分け2敗、天皇杯2敗)も、最近4戦6発と爆発中の点取り屋に過去のデータは関係ない。脅威の決定力を誇る48番が、シーズン2度目の連続マルチ弾で、新たな歴史をつくる。【永野高輔】