北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督(44)が監督としての仕事にひと区切りをつけた。8日、札幌サッカーアミューズメントパークで指定選手の練習を打ち上げ、チームとしての年内のトレーニングを終えた。今季チームを16年ぶりのJ1残留に導き、来季はコーチとしてミハイロ・ペトロビッチ新監督(60)をサポートする。監督として過ごした約2年半の経験を生かし、チームの前進を後押しする。

 四方田監督は汗を流す若手選手をじっと見つめていた。手締めをして練習終了。同時に監督としての仕事も終わった。「何の思い入れもない。頭の中は切り替えている」と淡々と口にした。来季から立場はコーチとなる。すでに来季の戦いを見据えている四方田監督にとっては、感慨に浸る時間はなかった。

 久しぶりの“復帰”に準備を進める。「体を動かすようになるから」と、トレーニングに励んでいる。04年からU-18監督を務め、15年途中からトップチームを指揮した。コーチ業は03年以来遠ざかっているため、自らの体力面が心配な様子だ。この日もゲーム形式の練習で選手相手にコーチ陣が参加。見守りながら「本当は入りたかったけど、入っちゃうと奇数になっちゃうから」と、残念がった。

 前日7日に、札幌を訪れたペトロビッチ氏との顔合わせを済ませ、より士気は高まった。あいさつ程度のつもりで臨んだが、話し合いは約3時間があっという間に過ぎるほど、熱を帯びた。「ふたを開けてみたら(話が)止まらない」と笑い「楽しみな気持ちが強い。質問したらいっぱい答えてくれる」と、指導者として学ぶ意欲に満ちあふれている。

 2日、最終節後のセレモニーで札幌ドームに集まったサポーターの前でコーチ就任を自らの口で発表した。約2年半、監督として過ごしJ1昇格、残留と結果を残した。そんな指揮官の決断に、スタンドからの拍手が鳴り響いた。サポーターからの思いを受け止め、新たなスタートを切ることになる。「いい準備ができれば」。さらなる高みを目指すチームを、支えていく覚悟はできている。【保坂果那】