東日本大震災の復興を支援する「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人でもある鹿島アントラーズMF小笠原満男(38)が27日、東北人魂の活動の一環で高校時代を過ごした岩手県大船渡市を訪れて、新たに人工芝が完成した赤崎グラウンドで約100人の子どもらとミニゲームなどで交流を深めた。

 同グラウンドは、津波で被災した旧赤崎小学校の跡地。震災から2年後の13年に1度は土のグラウンドとしてつくられたが、雨や雪などの悪天候によっては活動できない状態が続いた。そこで小笠原らが立ち上がり、人工芝化を推進。関東10カ所ほどの施設を訪れて、人工芝の選定にあたってきた。日本サッカー協会や自治体、募金などの支援もあり「せっかく、いろんな方からいただいたお金でつくるなら、長く使えるいいものをと思った」(小笠原)と、耐久性の良い物を選び、ようやく完成。この日、オープンイベントが行われ、小笠原のほかに鹿島の日本代表DF山本脩斗や鹿島MF遠藤康、北九州MF本山雅志や元日本代表DF中田浩二氏らも参加した。

 実は北海道・東北地方に大寒波が訪れているとあって、例年の12月の大船渡では、あっても積雪1、2センチのところ、前日からの大雪で11センチも積もった。だが、朝8時半からの関係者の懸命な雪かきによって、グラウンドは見事に“復活”し、開催に至った。

 小笠原は「今日は土のグラウンドなら中止だったでしょうが、人工芝だからできたことに意味があるのかな。子どもたちが笑顔でサッカーをしてくれて良かった」と感慨に浸った。その上で「(人工芝化の)思いをもったのは僕らが最初ですけど、本当に多くの方の協力を得てできたもの。子どもたちも、感謝の気持ちを持って一生懸命、努力して練習してほしい」と願い、いつかこのグラウンドから日本代表選手が生まれることを望んでいた。