矢板中央(栃木)の初の決勝進出はならなかった。

 夏の王者の流通経大柏(千葉)に持ち味の「堅守速攻」で粘り強く戦うも、後半19分に、流通経大柏のスーパーシュートの一撃を受け沈んだ。高橋健二監督は「最後まであきらめないで戦った選手たちをほめてあげたい」とねぎらった。

 春の新人戦、夏の総体県予選で県タイトルを逃し、関東大会も初戦敗退の屈辱を味わった。指揮官が「矢板中央史上、最も勝ちきれないチーム」と振り返るほど、得点直後に失点など、勝ちきれない試合が続いていた。しかし、8月に主将のMF稲見哲行(3年)と、公式戦の出場機会が少ない2年生で臨んだ全日本ユース(U-18)フットサル大会で全国優勝し、チームが変化した。2年生のFW大塚尋斗は、同大会で19得点を挙げ、得点王とMVPに輝き自信を付けた。

 準々決勝の日本文理(新潟)との試合では、自身が放ったシュートから決勝点を“アシスト”。この日も後半頭から投入され、ポストプレーなどでチームに貢献したが、シュートを打てず得点はならなかった。「フットサルでは自分のシュートのパンチ力が生きたけど、今回は走り負け、競り負けをしてしまった。なかなかシュートを打つ場面にもっていけなかった。相手のFWはしっかり前でおさめられるし、競り合いにも強かった。でも、これで自分に足りないところがしっかり分かった。そこを改善すれば、また、絶対に(全国の舞台に)戻って来られると思う」と手ごたえを口にした。

 フットサルを通し、ゴール前の混戦で体を張って守ること、攻守の速い切り替えがどれだけ大事か、チームとして学ぶことができた。「来年は、サッカーでも全国の舞台で必ず得点を取りたい。トラップも磨かないと」とリベンジを誓っていた。