左足から繰り出す正確なキックで魅了する。北海道コンサドーレ札幌は20日、熊本・大津町運動公園で午前と午後の2部練習を行った。DF福森晃斗(25)は3バックの左として、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)からの厚い信頼を得ている。セットプレーでキッカーを務める背番号5は、迫る24日の広島との開幕戦を見据えながら「味方が入ってくる場所に蹴るだけ」と、自らの仕事を全うする。

 自主トレでこっそり磨きをかけてきた。新指揮官はセットプレーの練習を行わない方針。「ボールがよくてタイミングよく入ってくればゴールはゴール。トレーニングをしていても、していなくても」と、練習は不要と説く。そのため福森は全体練習後、コーチ陣と自主的に練習を行っている。

 「去年と味方が入ってくる場所は変わらないので。自主トレだけでも十分感覚は保たれている」と、自信を見せる。米ハワイのパシフィックリム杯でCKからチャンスを作り、FKは優勝を決めるゴールの起点となった。全体で確認するセットプレーの練習量は減っても、精度は高まっている。

 開幕前最後のオフだった前日19日は、宿舎でゆっくり過ごし、体力回復に努めた。ハードな午前練習後の昼寝が最高の幸せという25歳は「開幕まであと1週間切ったので、ベストな状態にしたい」と、静かにやる気をみなぎらせていた。【保坂果那】