敵地で今季初の勝ち点をゲットした。北海道コンサドーレ札幌はセレッソ大阪と3-3で引き分けた。2点ビハインドの後半17分、MFチャナティップ(24)が来日初ゴール。同24分にはMF深井一希(22)のプロ初得点で同点。1点勝ち越された後半34分には、DF進藤亮佑(21)のJ1リーグ戦初ゴールだ。初ものずくめの頭3発で、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)にとっても就任後初の勝ち点。次節ホーム初戦に弾みをつけた。

 札幌ペトロビッチ監督は試合後、健闘をたたえながら選手、スタッフらとハグを続けた。グラウンドを引き揚げ、控室に戻る途中も、知り合いを見つけると握手しながら、笑顔で話が止まらない。アウェー側からスタートする監督会見では先にC大阪側から開始。やっと現れると「1試合で6ゴールも入った試合は、いい試合と言っていいと思う。お互いリスクを負って攻めた結果」とうなずいた。2点を追う展開からの巻き返し。「チャンスが決まっていれば勝てていた試合だった」と反省を忘れなかった。一方で、今季初の勝ち点1に満足感も得ていた。

 先発は2月24日広島との開幕戦と同じ顔ぶれ。平均年齢24・18歳でJ1開幕戦全9カード中最年少の若手を送り込んだ。相手ペースだった前半を終え、ハーフタイムで選手に「決して悪くない。続けていけば追いつける」と声を掛け、落ち着かせた。後半は言葉どおりに、主導権を奪った。前半のシュート数は相手8本に対して2本。劣勢から一転、終わってみれば相手を1本上回る計12本放った。「我慢をしながら選手たちを使っていかないといけない」と指揮官。ベンチで見守るベテラン勢を前に、成長を期待して起用するチャナティップら若手3選手がゴールを決めた。新生札幌を象徴する同点劇だった。

 昨季は敵地で苦しんだ。ホーム戦で強さを発揮しながら、アウェー5戦目まで勝ち点を奪えなかった。今季2試合目で勝ち取った勝ち点1に「目指すところに向かって戦うプロセス。方向は間違いなく良い方向だと示せた」と、手応えを口にした。

 次節10日、清水とのホーム開幕戦(札幌ドーム)に臨む。「今日の試合と変わらずアグレッシブに走りきるサッカーが求められている」。金曜ナイターに暴風雪による飛行機の運行の乱れも重なったなか、駆けつけたサポーターへ「一緒に戦ってくれた」と感謝。多くの赤黒ユニホームが見守るなかでの初めての戦いで、勝ち点3をつかみ取る。【保坂果那】