サガン鳥栖FWビクトル・イバルボ(27)が、今季リーグ戦初出場となった横浜F・マリノス戦で決めた今季初ゴールを、セリエAカリアリ時代の同僚で、4日に遠征先のホテルで急死した、フィオレンティーナのイタリア代表DFダビデ・アストーリ選手(享年31)に捧げた。

 試合後、取材に応じたイバルボは、アストーリ選手の訃報について聞かれた途端、沈痛な面持ちで下を向いた。そして、「ゴールした瞬間は、特別な関係だったので彼に捧げたい思いは自分の中であった。ただ、ここで終わりにして下さい…言葉がないので」だけ答えて、競技場を後にした。イバルボは11年から17年、アストーリ選手は08年から16年までカリアリに在籍したが、途中で15年にともにレンタル移籍先のローマでもチームメートだった。

 イバルボはこの日、先発し後半12分、チームが獲得したPKを右足で決めて、リーグ戦で今季初ゴールを挙げ、フル出場した。ゴールについては「チームは。とにかく、結果だけにこだわってやろうと言っていたので、勝ち点3を取れて良かった。自分の中で、自分のゴールは覚えていないくらい大事なことではない。私がどうと言うより、鳥栖がどうだったか、ということしかない。結果、勝ったことだけに思いはいっている」と淡々と振り返った。

 マッシモ・フィッカデンティ監督(50)は、イバルボについて「今年の合宿のスタートからコンディションが整わなく、上がってきたと思ったら開幕前に筋肉系のケガをした。欧州でも日本でも高いレベルのプレーをしてくれる。このままの調子で、チームに力を貸してくれることを願っている」と期待した。【村上幸将】