頼れる主将が本拠地のピッチに見参する。北海道コンサドーレ札幌は今日7日、札幌ドームで名古屋グランパスと対戦する。前節、ケガから復帰したMF宮沢裕樹(28)にとって、今季初めてのホーム戦。室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)の後輩で、元札幌の名古屋DF櫛引一紀(25)との初対戦へ、期待を抱いて臨む。

 名古屋戦が、宮沢の“ホーム開幕戦”となる。札幌ドームでの前日練習、ミニゲームで主力組のボランチに入った。攻撃の連係、セットプレーも攻守で確認した。第2節アウェーC大阪戦で右ふくらはぎ肉離れを発症し、戦線離脱。第3節、4節の本拠地での試合はベンチを外れた。今季初めて挑むホーム戦へ「会場の雰囲気が自分たちに有利なのは間違いない。自分のプレーをしっかりして勝つこと」。自身の出番を待ち望んでいたサポーターの声援を力に変えて、勝利を目指す。

 楽しみがある。相手DF櫛引は自身と同じ室蘭大谷OB。08年加入の宮沢に続き、11年に同校から札幌入りした直系の後輩だ。同窓のJリーガーは現在、2人のみ。昨季は櫛引が期限付きで在籍する名古屋がJ2だったため、ピッチで顔合わせはなかった。完全移籍し、完全にライバルチームの一員となった今季、後輩はリーグ戦4試合に出場している。移籍先での活躍ぶりに「対戦する機会がなかったので、ピッチで会えるのが楽しみ」と笑顔で口にした。

 先輩として、後輩に仕事はさせない。「クシの良さが出ないように、攻撃を仕掛けていく」と、最終ライン突破を狙う。ケガからの復帰戦だった前節鹿島戦では、主に守備面の貢献が光った。失点につながる危機の芽を摘み、敵地で勝ち点1をゲット。「試合を重ねるごとに、どういう時にボールを取られたら危険だとか、わかってきたから対応できるようになった」と、攻守の要に頼もしさが増してきた。

 両チームともに、細かくパスをつないでチャンスをつくるスタイル。ペトロビッチ監督就任以来取り組むスタイルが浸透してきたことを、だれより実感しているのが攻守のスイッチを入れるボランチの宮沢だ。「主導権を持って守備も攻撃もやっていけたら」。気合みなぎる主将のプレーが、長崎戦に続いて本拠地を沸かせる。【保坂果那】