湘南ベルマーレが大卒ルーキーFW鈴木国友(22)のプロ初得点などでV・ファーレン長崎を下し、22年ぶりに1次リーグ突破を決めた。

 湘南は勝たなければ敗退が決まる一戦。立ち上がりからアグレッシブに攻め、前半35分、相手DFのクリアミスのボールをFW端戸仁(27)が押し込み先制すると、直後の同37分に鈴木がFW山口和樹(23)の浮き球パスに抜け出し加点。勝利を引き寄せた。

 鈴木は中学時代は湘南の下部組織でプレーしていた。高校はユースに昇格できず、相洋高に進学。桐蔭横浜大を経てプロとして古巣に戻った。それだけに「あこがれていたピッチだった。リーグ戦はスタンドから見ることが多くて悔しい思いもしていた。その中でやってやろうと。並々ならぬ思いがあった。得点は自分の特長であるスピードが出せた。ホームでプロ初ゴールを決められてうれしい」と笑みをこぼした。

 アシストした山口とは公私ともに仲が良く、この1戦を前に「チームが苦しいときこそ、守備で2度追いして貢献しよう」と誓い合っていた。山口がボールを持った瞬間、鈴木と目が合い、鈴木は「来る」と信じて動きだした。GKと1対1の場面も、冷静に右足で流し込みプロ初ゴール。鈴木は、チームの正GK秋元の名を挙げ「(秋元)陽太さんがいつも、シュート練習に付き合ってくれて、どこに打たれたらGKは嫌か、すごく教えてくださった。陽太さんのおかげです」と感謝した。

 だが、鈴木は後半15分に足がつり途中交代。山口もその1分後の後半16分に足がつり、交代した。曹貴裁監督は、鈴木と山口のコンビの得点に「お互いのアイデア、信頼感が出ていた」と評価しながらも「2人とも足がつった。全然ダメですね」とダメ出しすることも忘れなかった。