北海道コンサドーレ札幌MF兵藤慎剛が29日、“無双”を誇る故郷で、リーグ戦再開後初勝利に貢献することを誓った。33歳の誕生日だったこの日は、札幌・宮の沢で練習を行った。長崎出身の背番号6にとって、次節8月1日のアウェーV・ファーレン長崎戦は故郷で初めてのリーグ戦。主将を務めた名門・国見高(長崎)時代にプレーし、「負けたことがない」場所で、勝ち点3をつかむ原動力になる。

 「負けたことがない」。札幌MF兵藤は、次節の舞台での勝負に、絶大な自信を持っている。8月1日アウェー長崎戦は、プロ11年目で初めての故郷でのリーグ戦となる。長崎の名門、国見高3年時は県内で圧倒的な強さを誇った。全国大会でも、国体こそ2回戦で敗れたが、総体、選手権の「2冠」を達成。“無双”状態のチームをまとめ上げた兵藤は「歴代最高の主将」と称された。横浜時代の09年も、天皇杯で当時JFLの長崎と対戦し4-0の快勝。「縁起がいい」。ACL出場権を狙える6位で凱旋(がいせん)する今回も、不安要素はない。

 スタメン出場こそ5試合だが、チームには欠かせない存在だ。リーグ戦全17試合にベンチ入り。チームが11戦不敗と突っ走った春先は、そのうち9試合に出場し好調なチームを支えた。同時期のルヴァン杯でも4試合に出場と献身的に貢献。一方で、出場のなかった最近4試合はチームも2分け2敗と白星がない。「悪くはないけど決めるところで決めきれない。途中から出る選手は流れを変えることが大事。自分は試合に出るため練習でアピールするだけ」と準備している。

 この日は33回目の誕生日。報道陣から祝福されると「年を取るごとに1年が早い」としみじみ。実戦練習では38歳のMF小野伸二、稲本潤一らベテラン勢と一緒にボールを追った。「一昔前なら引退を考える年齢だけど、今は年上で現役バリバリの背中を見ている。負けないように頑張りたい」。記念日を迎え気持ちを新たにした。

 28日に予定されていたアウェー名古屋戦は台風12号の影響で中止。気持ちを切り替えて挑む一戦に「勝ち点3を取ることにフォーカスしたい」と故郷での白星を誓った。【西塚祐司】

 ◆兵藤が在籍した01~03年度の国見高 01年度は選手権でV2を達成。レギュラーに定着した02年度は総体、選手権で準V。主将を務めた03年度は、元日本代表・平山相太、中村北斗(長崎)とともに総体、選手権で2冠を達成した。