ケニア人で初のJリーガーとなった柏レイソルFWオルンガ(24)が、V・ファーレン長崎戦で、リーグ戦2戦目でうれしいJリーグ初ゴールを決めた。

オルンガは後半24分にMF瀬川祐輔に代わって途中出場すると、同ロスタイム3分、中央のFW江坂任がからのパスを受けたDF亀川諒史の左クロスを、左足でダイレクトにたたき込んだ。

オルンガは試合後「1人でなしえたことではありません。チームメート…そして神に感謝したい。ケニア人として、Jリーグで初めてゴールを決められたことをうれしく思う」と、ケニア人としてJリーグの歴史に新たな1ページを刻み込んだことを喜んだ。その口調は193センチ、85キロの巨体とは正反対の、小さな声で、穏やかな語り口だった。

ケニア人として初めてJリーグでゴール決めたことについて「アフリカの他の国の選手も、これまでJリーグでプレーし、その国の選手として初ゴールを決めてきた。彼らで誰か知っている選手はいるか?」と質問されると、少し首をかしげて考えた。その上で「サッカーはグローバル化し、世界で活躍している選手が、さらに世界に流れていっている。ヨーロッパで活躍するアフリカの他の国の選手もそうですが、人の流れが、もっと活発になればいい」と持論を展開した。

後半36分には、中央から左足でシュートを放ったが枠を大きく外すと、電光掲示板の間から外にボールが飛び出す“場外ホームラン”となった。そのパワーに、スタンドからどよめきも起きた。オルンガは「ファンの声は、僕に届いていました。いつでも、サポーターは僕たちを後押ししてくれていました」と、ホーム5連敗の泥沼でも、柏を見捨てなかったサポーターに感謝した。

母国ケニアは平均気温が27~28度くらいで、時に30度になるというが、今日はキックオフ時の気温は30・6度、湿度は68%と暑かった。日本への適応について聞かれると「少しでもなじめる努力はしているし、チームメートも協力してくれるので、適応できるのにいい環境がここにはある。こんなに湿度が高い中でプレーするのは、なかなかないけれど、プロとして、そんなことは言っていられない」と力を込めた。【村上幸将】