「タイマスター」がチームにいた。北海道コンサドーレ札幌は、この日から2部練習を開始。

新加入したFWアンデルソン・ロペス(25)は、キャンプとシーズンの成功に自信をあふれさせた。広島時代にタイでのキャンプ経験があり、環境への順応には不安なし。元ブラジル代表FWロビーニョ(34)にあこがれるストライカーは、クラブ初のタイキャンプ、そしてシーズンでチームをけん引し頂点に導く。

チームに合流したばかりのロペスだが、すでに環境になじんでいる。晴天の下、シュートまでの連係を確認。ミニゲームでは右シャドーのポジションに入り、チームメートと息のあったコンビネーションを繰り返した。「長いキャンプも問題ない」。余裕すら漂わせた。

それもそのはず、タイでのキャンプは「2回目です」とニンマリ。広島時代の16年に同じチェンマイを訪れた経験があり、気候や雰囲気は慣れたもの。異国の地での合宿生活を乗り切るコツは「シリーズ系のもの(ドラマ)を見たり、家族と話したりすること」。ブラジル国内に残してきた妻子との電話や、アクションドラマがリフレッシュ法。初タイキャンプの仲間たちにもオススメした。

母からおもちゃのボールをもらってサッカーを始めたのが10歳のころ。母国のスター、ロビーニョがあこがれの存在だ。小さい頃に家族からプレースタイルが似ていると言われて以来、好きな選手の1人。所属した5チームでタイトルを手にした名ドリブラーを目指し、ロペスも「札幌で大きなことを成し遂げたい」と日本一の頂点に立つ日を夢見ている。

チーム内では「ロペ」の呼び方が浸透しつつあり、チームメートから迎え入れられ「すぐに溶け込めた。この雰囲気を求めていた」と感謝する。「勝つことを意識してやっていきたい」。戸惑いのないタイキャンプで札幌のロペスは、着実に歩み出している。