北海道コンサドーレ札幌に新加入したブラジル人FWアンデルソン・ロペス(25)が5日、名古屋グランパスとの練習試合(45分×3本、沖縄県南風原・黄金森公園陸上競技場)で約20メートルのミドルシュートを決めた。右シャドーで先発した1本目の24分、左足で2点目を挙げた。今季初の国内クラブとの対戦は3-4で、実戦4戦目で初黒星。当初45分×4本予定も悪天候の影響で変更となったが、4戦3発の新戦力の存在感は高まるばかりだ。

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札幌FWロペスのシュートが雨をズバッと切り裂いた。1-0の1本目24分。左サイドでボールを奪ったDF福森からのパスをペナルティーエリア前で受けた。「パスコースがなかったから思い切って狙ったよ」と左足を振り抜いた。ボールはゴールネットを揺らし、約20メートルのミドル弾となった。「しっかりミートできたね」と納得顔だった。

空席の位置で強烈なアピールを続けている。これで対外試合4戦3発だ。昨季右シャドーは退団したMF三好康児(現横浜F・マリノス)が主にスタメン。スピードあるドリブルで前線をけん引したが、185センチのロペスはパワーあふれるスタイルで定位置を目指す。今季初のJクラブ相手でも結果を残したが「まだ全然だよ。評価は監督や周りが決めること」と満足はしていない。

“ブルーノ塾”を経て順応している。1次キャンプのタイではブラジル人のブルーノ・クアドロスコーチ(42)からミハイロ・ペトロビッチ監督(61)の指導について、毎日のように助言を受けた。規律を守ることなどを教わり「1日1時間じゃ少ないかな」と、充実した内容だったという。

謙虚な姿勢は、過去の経験が糧になっている。17年にJ1広島を退団して昨年は韓国のFCソウルに所属した。「人間関係がうまくいかない部分が正直あったんだ」。現在は日本の文化や日本人の特徴を理解して接することを心がけている。「人間的に成長させてもらったよ」としみじみ振り返った。

この日、会場には元ポルトガル代表で現在は代理人を務める元ポルトガル代表MFデコ氏(41)の姿もあった。「世界的なレジェンド。まさかという感じだよ」と握手をし、モチベーションも上がって2次沖縄キャンプの中盤に突入する。「この感じでチームに貢献していきたいね」。16年途中に加入し、17年に10得点した広島時代とは違った姿を見せる。【西塚祐司】

◆逆転負けで今季対外試合初黒星となったペトロビッチ監督のコメント 1本目の前半は特に良かった。ピッチの状態が悪くなってからは難しくなった。(全体的には)良い練習になった。