加入2年目の北海道コンサドーレ札幌MF白井康介(24)が、開幕ベンチ入りをかけたラストチャンスに燃えた。コンサドーレ札幌は明日16日、練習試合(対戦相手、場所は非公開)を行う。これが湘南ベルマーレとの開幕戦(23日、BMWス)を前に最後の実戦となる。古巣・湘南との一戦を心待ちにするドリブラーが好プレーでアピールし、競争激化の18枠の座を勝ち取るつもりだ。

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白井は冷静に古巣との開幕戦を見据えている。熊本でのキャンプ2日目。午後に行われたミニゲームで、控え組の右サイドハーフに入った。主力組の同位置では新加入のブラジル人MFルーカスがプレーした。相手と競り合い、奪ったボールを前線に好クロスで供給する場面を見せるなど、サイドからチャンスを作る役目を全うした。「調子はいいので」と、練習に集中できている。

開幕前最後の実戦は、ラストチャンスだ。16日に行われる練習試合へ向けて「一つアピールして、開幕戦でメンバー入りしていきたい」と意気込む。現在のチーム内での自身の立ち位置を「あまり高くないと思う」と自己分析。危機感を持つからこそ、存在感を示す必要があると理解している。

ここまでの練習試合6試合で、先発はタイキャンプ中の1月23日チェンマイFC戦で左サイドに入った1試合のみ。「タイでチャンスをもらったけど、プレーの連続性が課題」。納得できる改善を見せられれば、左右の両サイドをこなせるドリブラーのベンチ入りは確実だ。

昨季もミハイロ・ペトロビッチ監督(61)のもとでプレーした分「1年間の経験があるので。左も右もどちらもフィーリングに遜色はない」と、対応には自信を見せる。加入1年目の昨季はリーグ戦10試合1得点。ステップアップを見せるためにも、果たせなかった開幕ベンチ入りを今季は譲るわけにはいかない。

湘南では14、15年にプレーした。会場は思い入れのあるスタジアムだ。昨季のアウェー戦で凱旋(がいせん)を果たし途中出場したが「空回った」と悔いが残っている。だからこそ「試合に行きたい。恩返ししたい。そのために練習試合は大事」。ラストチャンスで信頼を勝ち取ってみせる。【保坂果那】