プロ22年目のガンバ大阪MF遠藤保仁(39)がまたも金字塔を打ち立てた。ホームでの開幕戦でJリーグ史上初の20年連続開幕先発を務めた。昨季限りで引退した中沢佑二(横浜)と最長19年連続(J2の13年含む)で並んでいたが単独で更新。昨季フィールド選手初のJ1通算600試合出場を達成した39歳の鉄人が、今季も多くの記録に挑む。試合は2-3で横浜に逆転負けした。

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偉大な背番号7にはやはり開幕の舞台がよく似合っていた。遠藤は定位置の中盤で試合を操った。長短のパスを使い分けて好機を演出。前半16分、相手の意表を突く浮き球で前線へパスを出し、最終ラインを揺さぶった。試合には敗れたが、Jリーグ初の20年連続で開幕先発。単独で最長記録を更新した。

「もちろん、うれしく思う。開幕をピッチに立って迎えるのは1つの目標。それを長い間できるのは回りのサポートもある。今日は1年のスタート。まだまだチームのために戦える」

鹿児島実高卒で横浜Fでプロキャリアを始めた。その1年目の98年から開幕欠場は1度もない。先発を外れて途中出場したのは京都に移籍した99年だけ。J2含む開幕戦出場も22年連続となり、昨季限りで現役を退いた楢崎正剛(名古屋)と並んでいた最長記録を単独で抜いた。

高卒1年目から3クラブ、9人の監督の下で開幕から起用されてきた。始動日から短期間で戦術に順応できる能力は際立ち、宮本監督も「プレシーズンからヤットなりの調整方法で開幕に向けて上げてきた」と送り込んだ。

昨季はフィールド選手では初のJ1通算600試合出場を達成し、GKだった楢崎が持つ最多631試合出場へ、あと28試合に迫った。昨年からは初めて始動前に自主トレを敢行。試合後にはクラブハウスに戻り入浴でその日の疲労をとった。39歳で迎えた今季は「いい状態でこれからもやっていきたい」。衰えない大黒柱の力で、4季ぶりのタイトルと大記録をつかみにいく。【小杉舞】

◆遠藤保仁 えんどう・やすひと。1980年(昭55)1月28日、鹿児島県生まれ。鹿児島実から98年横浜F入団、京都を経て01年G大阪移籍。日本代表では02年11月20日アルゼンチン戦に初出場。W杯は06年から3大会連続代表。国際Aマッチ152試合15得点で日本の出場最多記録保持者。178センチ、75キロ