北海道コンサドーレ札幌が浦和を2-0で完封し、開幕2戦目で今季初勝利を挙げた。新加入のFW鈴木武蔵(25)が前半2分にクラブ史上J1最速となる先制ゴールを決めると、同27分にも2点目を決めた。古巣浦和との一戦に向けて、開幕戦から布陣を変更したミハイロ・ペトロビッチ監督(61)の2トップでの初先発起用に応えた。

鈴木が札幌初ゴールを鮮やかに決めた。試合開始からあっという間だった。MF菅、MFロペスと素早くつながれたパスに反応した。持ち味のスピードを生かし走り込み、相手守備の裏に抜け出した。相手GKとの1対1となり、左足で冷静にシュートを放った。時計は1分38秒(公式記録は2分)。今季チーム第1号の先制点は、クラブのJ1史上初の開始1分台での得点で、最速ゴールとなった。「練習でやってきた通りにできた。全員がハードワークできた」と、喜びに浸った。

初めて先発で送り出された鈴木は、指揮官の起用に見事に応えた。前半27分には、相手のパスミスでボールを奪ったチャナティップからのスルーパスを、しっかりゴールを決めて貴重な追加点をたたき出した。ペトロビッチ監督の布陣は0-2で敗れた湘南との開幕戦でも採用した1トップ2シャドーが定番。この試合は鈴木とロペスの2トップにMFチャナティップをトップ下に置いて臨んだ。チャナティップには相手アンカー封じを指示。策が奏功し、鈴木の2発にもつながった。指揮官は「狙いがはまった」とうなずいた。

ボールと人が連動し、観客を楽しませるサッカーを体現した。選手が次の手を予測し、スムーズに展開。古巣に初めて勝ったペトロビッチ監督は試合後、「選手には『今日のようなゲームを見られたら死んでもいい』と伝えた」と歓喜した。「マンチェスター・シティーに近いレベル。よくやってくれた」と、普段は選手を褒めることがない指揮官が称賛の言葉を並べた。

開幕2戦目で今季初勝利を挙げ、次節はホーム札幌ドームに清水を迎え撃つ。2ゴールで勢いづく鈴木は「FWなので1点でも多く取りたい」と自信を見せる。新戦力が機能する札幌の新たな攻撃的サッカーが、本拠地で披露される。【保坂果那】