鹿島アントラーズのアジア連覇を懸けた戦いが幕を開ける。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、5日にジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)戦(カシマ)を控えるチームは4日、同所で前日練習を行った。

冒頭15分のアップのみ公開された練習では、主力のDFチョン・スンヒョン(24)山本脩斗(33)FW鈴木優磨(22)らけが人が不在。1日のリーグ川崎F戦にフル出場した主将DF内田篤人(30)も、離脱を避けるべく無理をしない方針をとっており、中3日で連戦をこなす可能性は極めて低い。

大岩剛監督は試合前日会見で「所属している選手全員で勝つスタンス。現時点でベストと思われる選手を明日、自信をもって送り出したい」と話しており、連戦を見据えて大幅なターンオーバーを図ることも考えられる。右サイドバックでは、J2町田への期限付き移籍から復帰した昨季のJ2アシスト王、MF平戸太貴(21)が今季初出場することが濃厚だ。

本職はボランチやサイドハーフだが、2月の宮崎キャンプでは右サイドバックで経験を積んだ。直近の紅白戦では左サイドバックもこなすなど、さまざまなポジションに対応できるユーティリティープレーヤー。ACL初戦に向けては「いい準備ができている」と話し、「パスやクロスなど、自分が関わってアイデアを持って攻撃参加する部分を見てほしい」と後方からの積極的な組み立てに意欲を示した。

トップに昇格した16年はプロの壁に阻まれ、ルヴァン杯2試合の出場にとどまった。出場機会を求めて武者修行に出た町田での2年間で得たものは“自信”。持ち味である正確なパスやキックにより磨きをかけ、18年には全42試合中40試合に出場。チームの核となり、惜しまれつつ帰ってきた。今季始動時には「自信がついたぶん思い切ってプレーできるし、堂々としていられる」と話していた生え抜き4年目が、チームをアジア連覇へ導く。

対戦相手のジョホール・ダルル・タクジムは、マレーシア・スーパーリーグで5連覇中の強豪。ACL本大会出場は初めて。17年にはACLプレーオフでガンバ大阪と対戦し、0-3で敗れている。