ヴィッセル神戸が元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(35)の今季初ゴールで首位FC東京を1-0で破った。6試合ぶりに先発に復帰し、後半4分に右足で技ありゴール。フィンク新監督の初陣を白星で飾った。

抱き合った。まるで優勝したかのように、神戸のフィンク新監督はウオーターシャワーの中、イニエスタを抱きかかえた。「この勝利はアンドレスがキープレーヤーだった。ゴールだけでなく、リーダーとしてのクオリティーを示してくれた」と殊勲者を絶賛した。

6戦ぶりの先発。不安を抱えながらのピッチでも、さすがの存在感だった。いつもより下がった位置でゲームを支配した。0-0の後半4分。フリーでパスを受けると、右足で狙い澄ましてゴールに突き刺した。今季初ゴールが決勝点。「勝ち点につながったことで素晴らしいゴール。チームが勝利を必要としていたのは分かっていた。本当に喜んでいる」と浸った。

2度の監督交代とチームが揺れる中、イニエスタも苦しんでいた。下半身の筋肉系の違和感で欠場が続く。5月12日鹿島アントラーズ戦での途中出場が誤算。「完全に戻っていない中で試合に出てしまった。自分のミス」。この日も予定になかった89分間の出場。「やるせなかった」という欠場中の悔いを首位相手に晴らした。

新監督の初陣、イニエスタの復活を飾った大きな勝ち点3。「難しい相手にいいサッカーができた」。神戸に欠かせない存在を実証した。【実藤健一】