鹿島アントラーズがサンフレッチェ広島と引き分け、勝ち点1を手にした。

鹿島は新左サイドコンビ、FW山口一真(23)とDF小池裕太(22)が躍動した。ともに今季リーグ戦初先発で、小池は後半29分にゴールを決めた。同サイドではDF安西幸輝(24)とMF白崎凌兵(26)のコンビが安定したパフォーマンスで得点を量産してきたが、2人の台頭はチームに良い刺激を与えそうだ。

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新コンビへの期待に、カシマスタジアムが沸いた。3月にベルギー1部シントトロイデンから期限付きで加入した小池と、大卒2年目の山口がともに今季リーグ戦初先発。出場機会に恵まれなかったうっぷんを晴らすかのような鬼気迫るプレーで魅了し、前半41分にはワンツーで左サイドを崩す場面も作った。まだ粗削りな部分もあったが、小池が「練習試合で1回(コンビを)組んだけど、攻撃の部分ではいいコミュニケーションが取れていると思う」と話していたとおり、上々の出来を見せつけた。

ACLを制覇した昨季、鹿島は年間60試合を戦った。連戦の影響か、終盤にはレギュラーだったFW鈴木、MF三竿が負傷離脱。4冠を掲げるチームにおいて、こまめにターンオーバーを図る必要があることは明白だ。

そんな昨季の反省をふまえて臨んだ今季だが、25試合を終えたところで負傷者が続出している。出場停止を除く全試合に出場していたDF安西が、18日のACL広島戦で負傷。MF白崎も違和感を訴えてベンチを外れた。そんな影響もありチャンスを得た形だが、山口と小池のコンビは可能性を感じさせた。「コンディションの良い選手をいかに加えて、チームに勢いをもたせるかが大事」とは大岩監督の言葉。ベンチからの突き上げが、鹿島を強くしていく。【杉山理紗】