ベガルタ仙台が過去9戦未勝利だった“鬼門”の札幌厚別を突破し、5戦ぶりの勝ち点3をつかんだ。

前後半通じて鋭いカウンターで相手ゴールに迫り、DFシマオ・マテ(31)の決勝弾などで7位北海道コンサドーレ札幌を3-1で破り、14位と順位を1つ上げた。6月15日の松本山雅FC戦以来3カ月ぶりにアウェーで勝利し、今季敵地2勝目を挙げた。

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仙台移籍後初めてキャプテンマークを巻いたマテが勝利に導いた。直前に同点弾を浴び迎えた後半8分、DF永戸勝也がCKからピンポイントのボールを供給。相手にユニホームをつかまれながらも背番号23がバックヘッドで突き刺した。「練習の成果が出せた。まずはいいポジションを取ることを心掛け、素晴らしいアシストをもらえて決められた」。GKシュミットが海外移籍し、セレッソ大阪戦前に副主将を引き継いだ。この日はベンチ外の大岩主将に代わってチームを鼓舞。「19歳からキャプテンマークを任せられている。自分としては気にせずやった」。守備の要としてリーグ4位の得点力を誇る札幌攻撃陣をシュート5本に抑えたが、「(守備への手応えより)アウェーで3得点取れた方がうれしい」と笑顔で話した。

前半から脅威を与え続けたFWハモン・ロペス(30)は2得点に絡んだ。同32分、ペナルティーエリア左からシュートを放ち、GKがはじいたこぼれ球に反応したMF松下の13試合ぶりゴールで先制した。後半40分には永戸のCKから右足で押し込み3点目を奪った。ハモン・ロペスは「(永戸)勝也からいいボールが来ると信じていた。ちゃんとした動きだしとマークを外してフリーで決められた」と振り返った。

頼れるベテランも帰ってきた。8月の試合で相手選手と接触し左頬骨折し、全治6週間と診断されたMF関口訓充が早期復活し、フェースガードをつけながら先発で引っ張った。6月のホーム札幌戦ではマテが先制ゴール。アウェーでも得点し、今季初の「2戦2勝」に大きく貢献した。18日は中3日で天皇杯。敵地で勝利した勢いでJ2V・ファーレン長崎も撃破する。【山田愛斗】