帝京長岡サッカー部のDF吉田晴稀(3年)が7日、J2愛媛との仮契約を長岡市の同校で結んだ。「最強世代」と言われる現チームからのJリーガー誕生はMF谷内田哲平(3年=J2京都内定)、FW晴山岬(同=J2町田内定)に続き、3人目。豊富な運動量と俊足が武器の右サイドバックは来季J2の開幕スタメンを目指し、その先の海外を視野に入れた。

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DF吉田が身を包んだオレンジ色の愛媛ユニホームは、よく似合った。袖を通すと、甘いマスクが決意で引き締まった。「プロでどれだけ通用するか楽しみ。A代表に選ばれて、世界に出て行きたい」。タレント集団の現チームからはJ2京都のMF谷内田、J2町田のFW晴山に次いで3人目の来季のJリーガー。全員が長岡JYFC出身だけにライバル心も旺盛だ。「刺激になる。でも自分が1番、活躍したい」。

11月2日からわずか3日間、愛媛の練習参加でクラブの熱烈オファーを受けた。愛媛の児玉雄一強化部長(40)は右サイドバックを高評価する。「短い時間で光るものがあった。スピードは間違いなく通用する。速いだけではなく、運動量もある。攻守に渡ってチームの力になってくれる存在」。吉田は進学かプロかで悩んだが「ボールを大事にするチームは自分に合う」とプロ入りを決断した。

帝京長岡では、チーム事情で3バックの右ストッパーを担う。50メートル走6秒0、六日町中1年の通信陸上で100メートル7位に入った俊足は現チームでは生かされていない。だが1対1の強さで勝負。8月31日のプリンスリーグ北信越・東京都市大塩尻戦(長野)から11試合連続の無失点勝利に貢献し、チームに2大会連続7回目の全国選手権出場をもたらした。

県高校総体後は連日居残ってクロスボールの精度を上げる練習を繰り返した。運動量とスピードにクロスの精度も加わった。13日からはプレミアリーグのプレーオフ。来年1月2日には全国選手権、初戦2回戦の熊本国府戦が控える。「プレミアに昇格して下級生には置き土産、選手権では県の歴史を変える4強以上に入りたい」。プロ入り前の吉田には2つの「仕事」が待っている。【涌井幹雄】

◆吉田晴稀(よしだ・はるき)2001年(平13)4月20日生まれ、南魚沼市出身。前登録は長岡JYFC。六日町中出身。中学3年では全日本フットサルU-15で優勝を経験。年代別代表の経験はない。176センチ、64キロ。血液型A。