帝京長岡は全国高校サッカー選手権の2回戦(2日)、熊本国府戦を2日後に控えた12月31日、横浜市内で調整した。

Jクラブ内定選手3人を擁して上位を狙うが、才能あふれる選手は、まだまだいる。U-17日本代表経験のあるMF田中克幸(3年)。複数のJクラブからの誘いがあったが、インカレ優勝の明大進学を決めた逸材だ。8強入りした前回大会で2得点しているレフティーは今回、ボランチの位置につく。

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選手権モードに入った。田中は「早く試合をしたい」と言った。2日の試合会場となるニッパツ三ツ沢球技場(横浜)で行われた1回戦、明秀学園日立(茨城)-高知戦の前半を観戦してから始まった調整練習。ポゼッション、シュート練習、セットプレーの確認などを約1時間半かけて行った。田中は本来はトップ下ながら、初戦はボランチとして出場する予定だ。

2つのJクラブから届いたオファーを断って田中は明大進学を決めた。「プロサッカー選手になるのは夢だが、やりたいこともある」と学部は商学部。「プロ選手の後にはファッションビジネスをやりたい」というビジョンを描く。しかし目の前の標的はもちろん全国高校選手権だ。「シュートモーションからのパスなど、アイデアあふれる攻撃をして観客を魅了したい」。

古沢徹監督(34)は田中のボランチ起用をこう明かした。「中盤でボールを収めて展開、あるいは前に配球。トップと近い位置に上がってのプレーもしてほしい」とチャンスを作り、チャンスに決める役割を託した。「状態は今、1番いい」と指揮官が話す好調ぶり。「相手を圧倒して勝ちたい」と田中は初戦の熊本国府戦からギアを上げていく。【涌井幹雄】

◆田中克幸(たなか・かつゆき)2002年(平14)3月15日生まれ、岡山県真庭市出身。前登録はFC Viparte。岡山・久世中出身。19年2月にはU-17日本代表入りし、チリ遠征に参加。174センチ、64キロ。血液型O。