天皇杯王者のヴィッセル神戸がPK戦の末にJリーグ王者の横浜F・マリノスに競り勝ち、今季初の公式戦を白星で飾った。

2020年の開幕を告げる決戦は激闘となった。まずは前半27分。元スペイン代表MFイニエスタがドリブルペナルティーエリア内に進入すると、細かなタッチからDF2人の間を通す浮き球スルーパス。これを受けた今季新加入のFWドウグラスがワントラップから左足で蹴りこみ、先制に成功した。

同36分に横浜FWマルコス・ジュニオールにゴール前のこぼれ球を決められて同点とされたが、直後の40分に相手DFラインでのパス回しを奪うと、FW古橋亨梧が無人のゴールに冷静に流し込んで再びリードを奪った。

リードを保ったまま前半を折り返したが、後半9分に横浜MF扇原貴宏のシュートが味方DFに当たってコースが変わりゴールへ。試合は2-2の振り出しに戻った。

王者同士の激闘はまだまだ終わらない。同24分。神戸がまたも中盤で相手のパス回しをカットすると、そのままボールを持ち込んだMF山口蛍が右サイドを駆け上がったイニエスタへパス。グラウンダーで出されたクロスは1度ははじかれたが、こぼれ球を山口が右足ダイレクトで沈めて3度リードを奪った。

意地を見せたい横浜も同28分。右サイドからのクロスを途中出場のMF遠藤渓太がゴール前へ折り返すと、これにFWエリキが詰めて同点。このまま90分で決着はつかず、試合はPK戦にもつれ込んだ。

両チームともに1人目から2人連続で成功させた。しかし、3人目からは両チームともにまさかの4人連続失敗。迎えた7人目は先攻の横浜MF遠藤のシュートはバーに当たって外れ、対する神戸MF山口のシュートはゴール右へ決まった。ついに決着がつき、神戸が初の富士ゼロックス・スーパー杯を手にした。

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▽PK戦の結果:横浜2-3神戸

 

先攻:横浜(神戸GK飯倉)

1 ○チアゴ

2 ○扇原

3 ×エジガル・ジュニオ(GKセーブ)

4 ×水沼(枠外)

5 ×松原(枠外)

6 ×和田(GKセーブ)

7 ×遠藤(枠外)

 

後攻:神戸(横浜GK朴)

1 ○イニエスタ

2 ○田中

3 ×小川(ポスト直撃)

4 ×西(GKセーブ)

5 ×大崎(枠外)

6 ×フェルマーレン(枠外)

7 ○山口